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■ 海鳥 ■ 沿岸鳥 ■ 陸鳥


島から10km以上も離れた海域を
エサ場とする

赤い足を確認できるのは、樹に止まって
いる時だ

 ガラパゴスアカアシカツオドリ

Galapagos Red-footed Booby(英名)
Sula sula websteri (学名)


 
名の通り、真っ赤な足が特徴的で、ヘノベサ島がアカアシカツオドリの世界最大の繁殖地である。

 しかし赤い足を確認できる機会は少なく、飛ぶ時も巣にいる時も足が隠れている。ガラパゴスで見られるカツオドリの中で1番小さいが、小枝を集めて立派な巣を樹上につくる。

 
繁殖に丸1年をかけ、卵は1個。決まった繁殖期はなく、その時のエサの量で決まる。

 全長: 70cm
  翼開長: 100cm
  棲息数: 500,000 ?


本格的な巣を樹上にこしらえる
ガラパゴスアカアシカツオドリ棲息マップ


ガラパゴスマスクカツオドリ

 Galapagos Masked (White) Boody (英名)
 
Sula dactylatra granti (学名)


 メスはオスより一回りほど大きく、ガラパゴスのカツオドリの中で1番大きい。

 繁殖時期は島ごとに異なるが、決まった時期に行う。巣作りは海岸の崖斜面を好み、2個の卵を産む。だが最終的に育つヒナは1羽で、強いほうのヒナが、もう1羽を巣から追い出し餓死さてしまう。1年の内9ヶ月を子育てにあてる。

 全長: 70〜90cm
 翼開長: 150cm
 棲息数: 50,000〜100,000
ガラパゴスマスクカツオドリ

あどけない表情のヒナだが、殺し合いの
本能をもつ

.
卵に熱が伝わるように、足の裏には
たくさんの血管が走る


近づいても人間を恐れない習性は
今も昔も同じだ

ガラパゴスアオアシカツオドリ

 
Galapagos Blue-footed Boody
(英名)
 Sula nebouxii excisa (学名)


 ガラパゴスに棲息するカツオドリの中で、最も広い範囲に分布している。地上での動きが鈍く、簡単に捕まえることが出来るため、大航海時代、食料として大量に殺された歴史がある。

 メスはオスともに体長はほぼ同じだが、オスは尾羽が長い分、体が小さい。また眼の虹彩の大きさ、鳴き声で区別できる。

 メスは1〜3個の卵を産むが、1個ずつ3、4日の間隔をあけて産む。おなかで抱卵せず、水かきのある足の裏で卵を抱く。エサが豊富な年は、生まれたヒナ全てが育つときもあるが、不足している年は、1番最初に産まれたヒナのみ育つ。



 全長: 70〜90cm
 翼開長: 100〜140cm
 棲息数: 20,000以上

成鳥は見事なダイビングをして魚を捕る

ヒナと一緒に口を開けて暑さをしのぐ
ガラパゴスアオアシカツオドリ棲息マップ


 ガラパゴスコバネウ

  
Flightless Cormorant (英名)
 Nannopterum harrisi (学名)


 世界中に29種の鵜がいるが、羽が退化し、飛べない鵜はガラパゴスコバネウだけである。陸では動きが遅いが、水中では目にも止まらぬ速さで泳ぐ。

 ガラパゴスでは、陸上でコバネウを襲う外敵はいない。飛ぶことで危険を避ける必要もないため、進化上で体の構造を、海で多くのエサを得られる方向に向けていったのではないだろうか。

 砂浜に海藻で巣作りをし、2、3個の卵を産む。しかしヒナ同士は生存競争を繰り広げ、最終的に1羽だけが生き延びることが多い。

 全長: 80〜90cm
 翼開長: 60〜70cm
 棲息数: 1,400〜1,600

巣の材料として使う海藻を運ぶ

翼が退化し、飛ぶことをやめてしまった
 
 ガラパゴスコバネウ棲息マップ
 


くちばしの袋に獲物を捕まえた瞬間

 ガラパゴスカッショクペリカン

Galapagos Brown Pelican (英名)
Pelecanus occidentalis urinator
 (学名)


 諸島全土のマングローブや潅木の沿岸に棲息する。

 空から海面に垂直にダイブし、くちばしの袋に魚を捕まえる。ふだんは泳ぎながら、ときたま頭を水中に入れて魚を捕る。

 海岸のマングローブや低木の林の上に巣を作る。人間が近くにいようが、巣作りが出来そうな木さえあれば、どこにでも巣を作る。2、3個の卵を産み、4週間後に白いけむくじゃらのヒナが産まれる。


 全長: 120〜130cm
 翼開長: 180〜215cm
 棲息数: 2,000〜4,000

勇壮な飛行。成鳥になると体が銀美光りしてくる

小枝を積んで作られた巣の上に卵が2個


ガラパゴスアメリカグンカンドリ

 Galapagos Magnificent Frigatebird
(英名)
Fregata magnificens magnificens
 (学名)



 世界中のグンカンドリの中で、1番大きい。

 諸島にパロサントという、「聖なる木」という意味の木に巣作りをする。

 オスの色鮮やかな求愛行動が有名。ノドにある赤色のむき出しの皮膚に空気を入れ、メロンほどの大きさまで膨らます。頭上を飛ぶメスに向かって体をのけぞらせ、広げた翼を振り、甲高い声でメスを呼ぶ。

 また15cm以上もある、先端がカギ状に折れ曲がっているくちばしをもつ。これは低空飛行で、表層を泳ぐ魚や飛び跳ねる魚を拾い上げるのに適した形状である。


 全長: 90〜110cm
 翼開長: 210〜240cm
 棲息数: 2,000


カツオドリやペリカンを脅し、
加えている魚を横取りしたりする

オスは喉に10分もかけて、空気を送り込む

若鳥はエサ捕りを完全にマスターするのに5年を要する

つがいは1週間交代で卵を抱き、8週間後に孵化する
ガラパゴスアメリカグンカンドリ棲息マップ


メスの眼のまわりににある赤いリングが特徴

ガラパゴスオオグンカンドリ

Galapagos Great Frigatebird
(英名)
 Fregata minor ridgwayi(学名)



 ガラパゴス固有の亜種で、オオグンカンドリの亜種。
 メスは喉から胸にかけてが白く、眼のまわりを赤いリングが取り巻いている。

 オオグンカンドリはいったん水に落ちると、水面から離陸できず溺れ死ぬという。水飲みや羽の水洗いは行うが、毎年多くの若鳥が、未熟な飛行技術のために海で溺れ死んでいるようだ。

 全長: 85〜100cm
 翼開長: 205〜230cm
 棲息数: 4,000〜6,000

赤い喉袋を膨らませたまま、飛んでいるオス

求愛の方法はガラパゴスアメリカグンカンドリとほとんど同じ

若鳥は胸から喉にかけて茶色の羽毛が現れる
ガラパゴスオオグンカンドリ棲息マップ


 アカメカモメ
  別名 エンビカモメ

  
Swallow-tailed Gull (英名)
 Creagrus furcatus (学名)


 眼がとても大きく、真っ赤な環でふちどられている。また赤い足がアクセントとなり、黒い頭部に体は白やグレーの羽で覆われている。

 夜行性という、世界でも珍しい習性を持ったカモメである。

 夜でも目立つようにヒナは白い羽毛で覆われ、親が見付けやすいようになっている。またエサを巣に持ち帰った親にも、ヒナがエサを受け取りやすいよう、くちばしに白いマークがある。

 主食は魚やイカで、イカや魚が動く時に水面のプランクトンが出す蛍光を頼りにエサを捕る。

 全長: 40〜45cm
 翼開長: 120〜135cm
 棲息数: 20,000〜30,000

繁殖期間約10ヵ月

闇夜でも目立つように、くちばしに白いマークがある

他の鳥と同じく、接近しても逃げない

毎年1個の卵を産む

若鳥になり飛び方を覚えると、島を離れて
5年も戻らない



常に水辺の近くにいる

 ヨウガンカモメ
  別名 イワカモメ

  
Lava Gull, Dusky Gull (英名)
 Larus fuliginosus (学名)


 ガラパゴス固有種であり、数は世界一少ないカモメである。名前のごとく、体色は溶岩の色と同じで区別がつかぬほど似ている。

 エサは食べ残された魚や、アシカの出産後に出る羊膜などの後産、イワガ二、砂地の昆虫などさまざまである。このため、海の掃除屋とみなされている。
 
 水際の植物の中に巣を作り、ざらざらした2個の卵を産む。ヒナはこげ茶色の羽毛に覆われている。

 全長: 50〜55cm
 翼開長: 125〜140cm
 棲息数: 600〜1,000



海辺の黒い砂や岩の色とほとんど
見分けがつかない


 ガラパゴスアカハシネッタイチョウ
          
 
Galapagos Red-billed Tropicbird (英名)
 Phaethon aethereus limatus
 
(学名)


 40cmにもなる長い尾を引っ張りながら飛ぶさまは「熱帯の貴婦人」と呼ぶにふさわしい。尾羽は2枚からなっており、体長の約半分を占める。

 断崖絶壁の窪地や溝に巣を構え、目の前の海に飛び込み漁をする。エサは主にイカや小魚である。
 
 メスは赤茶けた卵を1個産み、オス・メス交代で抱く。

 全長: 80〜100cm
 翼開長: 95〜105cm
 棲息数: 4,000〜6,000

 ときどき島から離れて漁へ出る

約1ヵ月半後にはヒナがかえる


1年に2回換羽し、毎回12日間ほど続く


エサをめがけて潜水していく

 ガラパゴスペンギン

 
Galapagos Penguin (英名)
 Spheniscus mendiculus
 
(学名)


 繁殖地は諸島の北西部に集中している。そこは丁度、深海の底から冷たい海流が湧き上がってくる海である。そして、栄養分に富んだ、エサの豊富な海でもある。

 
腹部は白い模様になっているが、背中側から見ると全く黒だけである。溶岩の黒にマッチして、見分けがつかなくなる。

 近年、頻発するエルニーニョ現象の影響で、ガラパゴスペンギンが1970年以来半減したと米ワシントン大学の教授が発表した。棲息数が減った結果、絶滅に追い込まれる可能性が強いと、指摘した。

 その後、初めて調査した70年代には1万羽以上いたが、82年に起きた大規模なエルニーニョにより棲息数が激減。エルニーニョが発生すると海流が変化し、エサとなる小魚がいなくなるためである。


 全長: 35cm
 棲息数: 11,000〜23,000
        (1971)
       4,000〜8,500
        (1995)

最も涼しくなる6〜8月にかけて、2個の卵を産む

エサ探しに夢中で、泳いでいる人間にぶつかることもある
ガラパゴスペンギン棲息マップ

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