南極の海水気温が5度上昇すると南極西部の大規模氷床が解け、世界で海面が最高5メートル上昇する可能性があるとの研究を、米国の研究チームが18日発行の英科学誌ネイチャーで発表した。
西南極は、南極大陸の中でも気候変動に最も敏感な地域とされ、過去数百万年の間に何度も氷床の融解を繰り返し、直近では40万年前に起きている。
研究に参加したペンシルベニア州立大のデビッド・ポラード氏らは、南極周辺の海水気温が約5度上がると、氷床が解け始めると指摘。今回の研究結果は、コンピューターによるシミュレーションで算出したもので、おおよその目安だとしている。
西南極氷床の融解については、同じネイチャー誌で別の研究が地軸の傾きとの関係を指摘。この研究は、融解パターンと約4万年の周期で変化する地軸の傾きに関連が見られるなどとしている。