【ジェンツーペンギン】 南極/Antarctica
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南極トピックス


                              - 2009,02,24 -


 ◆くすぶる領有権争い


 アルゼンチンから南極半島へ向かう観光の玄関口ウシュアイア。観光船が出る港の入り口に掲げられた看板の地図を見て驚いた。

 南極条約(1961年発効)は各国の領有権凍結をうたうが、描かれていたのはアルゼンチン本土と同じ色に塗られた南極半島。首都ブエノスアイレスの書店で見た地球儀も、「半島は自国領」と主張していた。

 書店の売り場を担当するフェルナンド・クエンバスさん(25)は「小学生のころ自国領と習った。もちろんアルゼンチンの領土さ」。タクシー運転手のセルソ・ビザルバさん(39)は「石油や石炭の採掘も期待できる」と語った。

南極観光の拠点アルゼンチン・ウシュアイア港には、南極半島が本土と同じ色で染められた地図があった(3日)=加藤学撮影
南極観光の拠点アルゼンチン・ウシュアイア港には、南極半島が本土と同じ色で染められた地図があった(3日)=加藤学撮影

 南極条約は領有権の主張自体は否定していない。このため、現在はアルゼンチンを含む7か国が領有権を主張する。

 半島沿いのグーディエ島に、英国が最初の基地を建設したのは第2次大戦中の44年。周辺海域に展開するドイツ軍や、当時枢軸国寄りだったアルゼンチンを警戒するため、海軍が常駐した。アルゼンチン、チリ……。英国に続き、戦後は領有権主張の根拠にすることを意識した基地設置が続く。

 グーディエ島の基地は、当時の観測活動を紹介する博物館に姿を変えていた。土産物店と郵便局もあり、年間1万5000人の観光客を集める。

 英国は一昨年、領有権を主張する「南極領」沖の海底で主権拡大を目指すことを表明した。資源への思惑も絡み、領有権争いは今も、くすぶり続けている。 (科学部 佐藤淳)
(C) 読売新聞

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