【ジェンツーペンギン】 南極/Antarctica
トップへ戻る
 TOP南極トピックス2009


南極トピックス


                              - 2009,02,23 -


 ◆観光客とペンギン密集



 南極半島沿いの小島にあるウクライナのベルナツキー基地。カウンター越しに、気象観測担当の隊員が1杯3ドルの自家製ウオツカを差し出した。観光客相手の商売は米ドルが基本。ウクライナの記念切手は1枚10ドルもする。商魂はかなりたくましい。

ペンギンと入り乱れる観光客(9日、バリエントス島で)=加藤学撮影/(C) 読売新聞
ペンギンと入り乱れる観光客(9日、バリエントス島で)=加藤学撮影

 「ボンジュール、ハロー、こんにちは」。客船からゴムボートに分乗して乗りつけた観光客は、各国語で表記された看板の出迎えを受ける。「写真撮影はオーケー。でも観測機器にはさわらないで」。英語を話す隊員は、手慣れた調子で観測施設の中を案内した。

 南極観光は活況を呈している。2006~07年の観光シーズンに客船で南極を訪れた人は約3万人。過去10年で3倍にふくれあがった。客船が出るアルゼンチン最南端の町ウシュアイアは、ホテルや土産物店の建築ブームに沸いていた。

 地元で旅行代理店を営むヤニナ・バレットさん(33)によると、航海の多くは10日前後。半島と周辺の島々をめぐり、上陸するコースが人気だ。ヤニナさんは「金融危機の余波で今季は少し減ったけど、前季の航海は完売だった」と説明した。

 動物からは5メートル以上離れる。外来の動植物は持ち込まない――。自然が壊されないよう、観光業者たちはきめ細かい自主ルールを設ける。上陸地ではガイドが観光客の行動に目を光らせるが、実際にルールを守らせるのは至難の業だ。

 半島北部のバリエントス島。観光客が降り立った浜辺は、ペンギンで埋め尽くされていた。警戒心が弱いペンギンは逃げるどころか、足もとにすり寄ってくる。「これじゃルールを守りようがないよ」。観光客の1人は戸惑った様子でつぶやいた。 (科学部 佐藤淳)
(C) 読売新聞

[02/23] 


その他のトピックスその他のトピックスはこちら

このホームページの記事、及び写真・映像の掲載等をご希望の方は NATURE's PLANET MUSEUM へ。
本サイトに掲載されている画像、文章等、全ての内容の無断転載、引用を禁止します。
Copylight © FUJIWARA Koichi / NATURE's PLANET MUSEUM All Rights Reserved.

NATURE's PLANET MUSEUMへ