フォークランド諸島

〜地雷で守られる自然〜


アルゼンチンの南東海上に位置するフォークランド諸島。
島の草原を気持ち良さそうに散歩しているのは
マゼランペンギン



南米最南端の港町、ウシュアイアから船で北東へ600キロ。
南緯52度を過ぎたころからフォークランド諸島が見えてきた。
諸島は2つの大きな島と200あまりの小島からなっている。
総面積約12000平方キロは、ちょうど新潟県ほどの広さ。
16世紀末に諸島は発見され、以来さまざまな国から人が移り住んできている。


島のあちこちでマゼランペンギンと出会った。
体長は70センチほどで、南米の太平洋岸に生息するフンボルトペンギンととてもよく似ている。
でも、マゼランペンギンには胸に二本の黒い帯があるので、まず間違うことはない。
マゼランペンギンを最初にヨーロッパに報告した探検家F.マゼランから名前が由来している。



英国とアルゼンチンは1982年、フォークランド諸島の領有権をめぐって武力衝突した。
いまだに戦争の爪跡が、諸島のあちこちに残っている。
海岸線一帯には撤去されるべき地雷が、たくさん眠っているのだ。
僕はそこで意外な光景を目にした。
なんと、地雷地帯を平然と歩くマゼランペンギンの姿がそこにあった。

「危ない! 地雷でペンギンが吹っ飛んじゃうよー」
と思わず顔面蒼白。
でも、
「心配御無用!」
と島民に諭されてしまった。
なんでも、人間の重さで爆発する地雷だが、ペンギンぐらいの軽さではまったく安全らしい。


皮肉なことに、「地雷」という戦争の置き土産は人間をペンギンから遠ざけ、彼らの生息地を人間の破壊からずっと守ってきたのだ。

「ようこそフォークランドへ」。立ち寄った島々で、
いつも最初に出迎えてくれたミナミカマイルカ

イロワケイルカ
戦争で残された地雷は、
いまだに島のあちこちに眠っている。
皮肉なことに、鉄条網の中は人間を寄せつけない
「ペンギンたちのパラダイス」となっていた

「愛情いっぱい」が伝わってくるマゼランペンギンのカップル。
繁殖期になると、目の周りの裸出した皮膚が、
より鮮やかなピンク色になる

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