イルカ物語 イルカ物語 (写真集)
 写真/J. D. Watt 他  写真・文/藤原幸一
データハウス出版
 ¥1,200

 バンドウイルカやオキゴンドウは人によくなつき、水族館やシーワールドの人気者だ。イルカと呼ばれる体長4mほどにしかならないクジラの仲間は、世界中にシロイルカの仲間も入れて約40種類ほどが知られている。 日本近海には約20種類のイルカが回遊して来たり、定棲していたりする。
 非常によく発達したイルカの尾ビレは、流線形の体とマッチしている。イルカは強力な尾ビレを使って、ただ直線的に泳ぐだけではない。 時には、体すべてを水中から飛び出すほど高くジャンプしたり、スピードをゆるめるブレーキに、早代わりしたりもする。 さらに波乗りや潜水も得意である。


クジラ物語 クジラ物語 (写真集)
 写真/J. D. Watt 他  写真・文/藤原幸一
データハウス出版
 ¥1,200

 ヒゲクジラ類の多くは、毎年何千kmもの回遊をすることが知られている。 例えば、ハワイで冬になると現れるザトウクジラは、ハワイの暖かな海で出産と子育てを行う。 同じクジラが、夏になると採食のために、アラスカの海へハワイから移ってくる。 生殖はハワイの海で行われるため、オスもメスを追いかけ、ハワイの海にやってくるのだ。 
 回遊は採食上の要求と繁殖上の制限のよって生まれたものである。 ほとんどのヒゲクジラ類では、生まれたばかりの赤ちゃんクジラの段階で、餌を採る海域の冷たい海で生きられそうにもない。 この要因が、回遊の必然性で生み出してきたともいえるだろう。


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