Galapagos:A paradise threatened

photo and text by Fujiwara Koichi
ISBN978-4-591-10036-3
publisher: POPLAR PUBLISHING Co.,LTD.


ガラパゴスがこわれる
 藤原幸一 著
ポプラ社

裏表紙 表紙
世界自然遺産第一号の島が、泣いている。

<進化>をはぐくむ島、赤道直下のガラパゴス諸島。
    その海、その森が、そこにすむ生きものたちが今、
    危機に直面させられている。
    わたしたち、人間の手によって―――。

『南極がこわれる』に続けて問う、
環境問題解決のためのメッセージ。



The male frigate bird can fill its red throat pouch with air over a period of about 10 minutes. The pouch is used to attract female frigate birds.

ガラパゴスオオグンカンドリ。オスはのどに10分以上もかけて空気を送り込み、真っ赤な袋をこしらえる。メスへの求愛行動だ。



The Galapagos Islands are made up of 13 islands. 6 islets and a number of reefs, covering an area of about 10 sqyare killometers that strad-dle the equator. The total land mass is about the size of Shizuoka Prefecture.

ガラパゴス諸島は、赤道をまたぐようにして10㎢以上の広さをもつ13の大きな島と6つの小島、たくさんの岩礁からなる。陸地の総面積はちょうど静岡県ほど。



During mating season, the male frigate bird perches in the tops of trees and inflates its red throat pouch until it is like a balloon. It then vigorously wags its head. trying to attrast the attention of female frigate birds.

オスは繁殖期になると、樹上で真っ赤なのど袋をぱんぱんになるまでふくらませる。そして頭を激しく打ち振り、上空を飛ぶメスの気をひこうとする。



The marine algae that is the marine iguana's favorite food grows in abundance in the waters around the Galapagos. When the temperatures rise during the day, the iguanas lie in the sun to adjust their heat.

海にはウミイグアナの大好物である海藻が豊富に育つ。日中の気温が上昇してくると、腕を立てて体から熱の放散をはかる。




ゾウガメたちは森にある水溜まりで水浴びするのが大好き。重い体が“無重力”になれる水中にいると、肺の換気が促進されるのだといわれている。




ピンタ島で生息していた最後の1頭、ロンサム(孤独な)ジョージ。2012年の6月に亡くなった。ガラパゴスゾウガメの亜種は全14種が知られ、内3種がすでに絶滅している。ロンサムジョージの死亡によって現存するゾウガメの亜種は10種類となってしまった。




アオアシカツオドリ夫婦は、おしどり気分でいつも仲がいい。目の黒い部分の大きいほうがメスで、オスよりも体が少し大きい。




羽が退化して飛ぶことをやめてしまったガラパゴスコバネウ。コバネウは水の中で魚より素早い動きで泳ぎまわる。




ガラパゴスペンギンはふだん時速7~8kmで泳ぐが、急ぐときは時速12km以上のスピードを出す。水面で30秒ほど休んですぐにまた、魚の群れをめがけて潜っていった。




漁から帰った母親に「おなかすいたよー」と、お乳をねだるガラパゴスアシカの赤ちゃん。




世界遺産に登録されて以来、毎日5便以上のジェット機がたくさんの観光客を運んで大陸からガラパゴスにやってくる。




駐車場を横切るガラパラゴスゾウガメ。近年、野生動物と自動車の衝突事故が増えている。




空港内をかっ歩するリクイグアナ。




ごみ捨て場では、分別もされていないプラスチックや紙類。さらに薬剤も一緒に24時間野焼きされていた。




様々なゴミが24時間野焼きされて。常に煙が絶えない。




分別されずに、ただ森の中に捨てられているごみの山。人間が捨てた残飯を食べにやってきたダーウィンフィンチ。




ごみ捨て場に巣作りの材料を探しに来たガラパゴスキイロアメリカムシクイ。鳥がくわえて巣材に選んだのは、がんの原因にもなっているアスベストだった。



港近くのゴミ捨て場に群がり、日光浴をするウミイグアナたち。観光客が増大する以前は見られなかった、危機遺産を象徴するかのような風景。




魚市場では、“物乞い”のためにたくさんのガラパゴスペリカンが集まっていた。巨大化したエルニーニョで、エサ不足に陥った海鳥たちが、人間に物乞いすることを覚えてしまった。




後方はスカレシア原生林。手前は外来植物に占領された森を駆除し、その後いに植えられたスカレシアの苗木。ガラパゴス固有種のスカレシアは生長すると15m以上にもなる。




ガラパゴスアシカのお昼寝




町のイルミネーションとともにくらすウミイグアナ。




自動車と野鳥との衝突事故が頻発するようになり、みかねた島民の手によって「野鳥注意!」のイラストが道路に描かれた。

 



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